2019 年 42 巻 2 号 p. 67-72
メタノール含有排水の処理にUASBを適用した場合, メタノールを利用できる微生物は限られているため, グラニュール汚泥の安定的な維持形成に課題があった。本研究では, UASBの後段に汚泥回収槽を備えた処理方法で, メタノールを含有する実排水を用いた連続運転を行い, 種グラニュール汚泥からの馴致過程における菌叢ならびに汚泥粒径の変化を確認した。馴致過程において, グラニュール汚泥中のメタン生成古細菌のうちMethanosarcinaおよび Methanomethylovoransの占める割合が80%を超えると, グラニュール汚泥の微細化が進行し, 0.5 mm未満の粒径となった。微細化した汚泥でも汚泥回収槽による固液分離により安定に維持でき, 安定した処理性能を確認した。