2022 年 45 巻 1 号 p. 1-9
HAP-PNAグラニュール式一槽型アナモックスプロセスを用い, 嫌気性MBRにて嫌気性処理を行った実下水の連続窒素処理性能を評価した。また, 適宜, 活性試験と菌叢解析を実施した。その結果, 原水のNH4+濃度を調製しない全量実下水条件では, 平均窒素除去率は87%, 平均硝化速度は0.20 kg-N (m3 d) -1, 平均窒素除去速度は0.34 kg-N (m3 d) -1を確認した。さらに, 活性試験と菌叢解析より, 硝化活性はアンモニア酸化細菌, 脱窒活性はアナモックス細菌が大きく寄与していることが分かり, 実下水処理において一槽型アナモックスプロセスに関わるAOBとアナモックス細菌が維持できていたことが示唆された。本研究より, 下水のメインストリーム処理において嫌気性MBR処理の流出水に対して一槽型アナモックスプロセスの応用が可能であることが連続実験にて明らかになった。