水環境学会誌
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調査論文
都市近郊の河川での大腸菌の各種薬剤への耐性率の変化事例
浦瀬 太郎川野 唯人佐藤 美桜
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2022 年 45 巻 2 号 p. 83-90

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抄録

水環境中の薬剤耐性菌についての2000年代初頭の研究事例との比較を目的に、神奈川県内の金目川, 大根川, 渋田川, 鶴見川において, 2019年に大腸菌の様々な抗生物質への耐性率を調べた。下水道の普及率が高い地域においても, セフォタキシム耐性に代表されるヒト由来の大腸菌にしばしばみられる耐性プロファイルを持った大腸菌が多く検出され, 採水場所付近の合流式下水道の越流水の影響や伴侶動物の関与が示唆された。一方, テトラサイクリンとスルファメトキサゾールに同時に耐性を持つ株が渋田川で多く検出された。2000年代初頭の同じ場所での大腸菌における耐性調査に比較して, 今回の調査では, 畜産に関連すると考えられる耐性や一般的な耐性であるアンピシリンへの耐性率が有意に減少した。レボフロキサシンやゲンタマイシンなどへの耐性率は増加したが統計的に有意な増加ではなかった。

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© 2022 公益社団法人 日本水環境学会
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