水環境学会誌
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調査論文
沖縄をモデルケースにした高温多湿地域における除湿水の水質・水量調査及びその有効活用
泉水 仁中川 鉄水浅田 祥司吉本 隆光木之下 幸一郎米倉 勲小城 宣啓大塩 愛子福本 晃造
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2024 年 47 巻 1 号 p. 47-53

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抄録

安全な飲用水の供給不足に悩む開発途上国は高温多湿地域が多いが, 錆やカビの発生防止に除湿機が使われている。除湿機から発生する水 (除湿水) は汚いイメージがあり捨てられているが, 沖縄をモデルケースとして年間を通して水質・水量調査を行ったところ, 水質に関しては水道水に含まれる不純物の濃度が119.821 mg L-1 (主成分:Cl- 34.315 mg L-1, Ca2+ 28.636 mg L-1, Na+ 25.658 mg L-1, SO42- 23.293 mg L-1) に対して, 除湿水は調査期間の平均が11.730 mg L-1 (主成分:TOC 6.985 mg L-1, NH4+ 3.760 mg L-1) という結果が得られ, 除湿水はいずれの季節でも水道水と比べて不純物量が少ないことがわかった。またコンプレッサー式除湿器は部屋を閉め切っても調査期間の平均が6.22 L day-1 (定格の約62%) の除湿水を年間で得られ, ゼオライト式 (3.16 L day-1 (定格の約39%) ) より多量の水が生成されることが分かった。このことから, 除湿水は適切に処理すれば低コストで飲用水など様々な目的の水として活用が期待できる。

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