2024 年 47 巻 6 号 p. 183-191
相模湖において2016年5月から12月にかけて水深10 m以浅に存在する浮遊粒子中の炭素および窒素含有量と有光層以深に存在する沈降粒子の炭素および窒素フラックスを測定した。全粒子フラックスはこれまでに報告された富栄養湖沼の値よりも10倍以上高い値であった。炭素および窒素フラックスは有光層内で生産された一次生産量よりも高く, 有光層以外から付加された可能性が高かった。その炭素および窒素フラックスを増加させる要因が必ずしも降雨量と関係しているものではなかった。沈降粒子中の炭素および窒素含有量は浮遊粒子よりも低く, また季節変化を示さなかった。さらに, 沈降粒子中のC/N比は浮遊粒子よりも約1.3倍高い値であった。