千葉県北部に位置する印旛沼は, 流入負荷量に占める面源系の寄与率がCODMn約8割, T-N約7割, T-P約4割と大きい。湖沼水質保全計画では, 原単位を用いた一律の算定手法による面源系負荷の算定が行われているが, 降水量, 降水パターンによって負荷量は大きく変わる可能性がある。本研究では, 面源系負荷に占める割合の大きい市街地の主要構成要素である道路排水に着目し, 千葉県における降水量とCODMn, 窒素, リンの負荷量の関係について調査を行った。自動採水器を用いた22回の降雨時調査及び, そのうち道路排水の流出開始から流出停止まですべてを採水できた10回の降雨時結果から, 総降水量とCODMn, T-N, NO3-N, T-P, PO4-Pの1降雨負荷量の間の関係式が得られた。得られた関係式により, 降水量に応じた算定が可能となり, 千葉県の市街地原単位におけるCODMnが過少評価されている可能性が示唆された。