2026 年 49 巻 p. 19-26
本研究では, 大阪湾南部における水温・塩分の長期変動を明らかにするため, 1992~2023年の32年間にわたり収集された定置観測データを解析した。水温・塩分の季節変動, 長期トレンド, および気象要因との関連性を検討した結果, 春季の水温上昇が顕著であり, 特に水温15 ℃を超える時期が年々早期化していることが判明した。一方で, 年間最低・最高水温やその記録日には顕著な変化は見られなかった。また, 水温・塩分の短期的な変動は, 降水量などの気象要因の影響を強く受けるとともに, 紀淡海峡を通じた外海水の流入により顕著に変化することが示された。本研究の成果は, 大阪湾の海洋環境変動の理解を深めるとともに, 水産資源管理や養殖業への応用が期待される。