水環境学会誌
Online ISSN : 1881-3690
Print ISSN : 0916-8958
ISSN-L : 0916-8958
ノート
指示薬によるpH測定時における遊離残留塩素の影響とその回避策について
大島 詔
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 49 巻 p. 9-17

詳細
抄録

専用水道や公衆浴場等の現場ではブロモチモールブルー (BTB) やフェノールレッド (PR) による指示薬でpHが測定されることがあるが, 指示値が電極法と著しく乖離する例が確認された。本研究ではxy色空間を用いた定量的な方法で先行研究の乏しい遊離残留塩素のpH指示薬に対する影響について検討した。BTBとPRの指示値は遊離残留塩素の影響でそれぞれ酸性側, アルカリ性側へと偏り, BTBはおそらく試薬の酸化, PRは塩素化によるクロロフェノールレッドへの化学変化がその理由として考えられた。しかし指示薬は変化後も変色域内または近しい呈色のため誤った指示値が可読であることが電極法と値が乖離する原因であった。指示薬変化の対策として0.07 mol L-1チオ硫酸ナトリウムによる遊離残留塩素消去の有効性を実験室および現場で検討し, 添加量が検水容量の0.5%までであれば測定値への影響は認められないことがわかった。

著者関連情報
© 2026 公益社団法人 日本水環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top