抄録
得ることを目的として, 各種の金属を陰極に用いてクロロホルム (CHCl3) 水溶液の定電流電解を支持電解質を用いずに行った。陰極金属の材質の違いによって水溶液中におけるCHCl3の還元分解挙動は異なり, 陰極にPbを用いた場合の主生成物はCH2Cl2であり, Cuを用いた場合にはCH4であった。また, CHCl3の還元分解効率は, 陰極金属の種類によって大きく変化し, 溶媒である水の還元分解によるH2生成量の小さい金属ほど大きかった。CHCl3水溶液の陰極還元分解を低濃度 (0.8~0.6mg・l-1) で行った結果, 高濃度系と同様にCHCl3が分解し, その70%がCH4まで脱塩素された。水道水を溶媒とした場合にもこれと同様の結果が得られた。