抄録
河川, 海水等の環境水中のMBASは全国的に調査が行われている。しかし, 事業場排水中の汚染実態についての報告例は少ない。そこで今回, 川崎市内の事業場排水184検体につきMBASを測定しその実態把掘を試みた。その結果, 濃度範囲は0~34mg・l-1, 平均値は1.1mg・l-1であり, 濃度分布は0~2mg・l-1に入るものが全体の90.2%を占めていた。この濃度を市内河川水と比較すると, 多摩川下流域地点を除き, 全体的には河川水より低い値であった。
業種別にMBAS濃度をみると, 医療業, 金属製品製造業および化学工業が高い値を示していた。