抄録
相模川水系についてその変異原活性の季節・流域変動を青綿法とエームス法を併用して調べ,従来の水質汚濁指標との関連性を検討した。青綿による吸着回収物にS9mix存在下TA98に対する変異原性が認められた。特に冬季の上流域にその活性は強く,夏季では陰性であった。一方,下流域では季節に関係なく弱い変異原活性を示した。従来の水質汚濁指標のうち,大腸菌群,過マンガン酸カリウム消費量,BOD,電気伝導率,陰イオン界面活性剤について変異原活性との関連性を比較検討したが,従来の指標では全く関連づけられなかった。著しく汚濁の進んでいる水域の方が逆に変異原活性が低い場合も認められた。これらの事実から,従来の水質汚濁指標では突然変異原性物質の存在が予測し得ないことが明らかとなった。