抄録
浮遊物質量 (SS) の連続測定法の主流である光学的手法によるSS測定について, 排水の着色の影響を調べるため, 実験室で調製した懸濁液の分散媒 (水) を水溶性の色素で着色しその影響を濁度計を用いて検討した。
実験は, SSの測定方式として散乱光束積分式, 散乱光束/全光束積分式, 透過散乱比式の三種類, SSの粒度及び濃度, 色素の種類などの要因を変えて行った。また, 実験結果の解析に際しては, SS測定方式の原理に関して数式を新たに導入し定性的な考察を行なったため, 着色の影響の様子が明瞭になった。得られた結果の主なものは, 散乱光束/全光束積分式は着色の影響をほとんど受けない, SSの粒度が大きいほど, あるいはSSの濃度が小さいほど, さらにメチレンブルー (青緑) の方がエオシン (赤紫~赤) よりも着色の影響が大きくなった, などである。