抄録
多成分系である廃棄物の溶融処理特性を表現する指標としてCaO/SiO2を主とする塩基度がよく使われている。塩基度は,廃棄物種を固定した時には溶融処理特性に関して一定の傾向を示すが,汎用性に欠ける。
本研究では,SiO2, Al2O3, CaO, FeOに関わる14種の平衡状態図を一定のAl2O3含有率の平面で切り取り,SiO2, CaO, FeOを頂点とする新たな図 (四成分平衡状態図) を作成した。各種廃棄物の溶融温度 (溶流点温度) の実測値と塩基度または四成分平衡状態図における位置とを比較すると,後者の方が成分と溶融温度の関係をより正確に表し得ることがわかった。また,高炉スラグの粘性に関する実験結果から得られた溶融温度をこの図上にプロットすると,溶融温度の分布傾向は酷似しており,四成分平衡状態図は溶融処理特性を表現するのに有効であることが確認された。