廃棄物学会論文誌
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論文
小規模排水処理施設の建設時および運用時におけるCO2排出量の試算
岡田 誠之
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2001 年 12 巻 4 号 p. 168-176

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抄録
近年, 人間活動を地球環境の観点から総合的に評価しようとする場合の手法としてLCAが登場しているが, ここでは二酸化炭素を取り上げて評価を行うLCCO2に着目した。そこで小規模排水処理施設の建設時および運用時において地球温暖化に寄与するCO2の排出量がどの程度あるか, さらに対象とした規模でのCO2排出量に変化があるかなどについて予測を行った。その結果, 次のことが明らかとなった。
(1) 建設時のCO2排出量は, 全体的には原水ポンプ槽の設置が必要となる最小規模で最大値となり, 規模が大きくなると減少し, 放流水BOD濃度20mg/Lの浄化槽は放流水BOD濃度60mg/Lの浄化槽に比べて, 最大で30%多くCO2を排出している。
(2) 放流水BOD濃度20mg/Lの浄化槽に高度処理を付設することによって, 建設時のCO2排出量が3倍増加している。
(3) 放流水BOD濃度20mg/Lの浄化槽の場合, 運用時のCO2排出量は建設時に比べ最大で26倍多く排出している。
(4) 放流水BOD濃度20m9/Lの浄化槽で流入水量65m3/dの場合, RC製はFRP製に比べてCO2排出量が1.6倍多くなっている。
(5) 運用時と建設時を併せてみると, CO2排出量の94~97%を運用時が占あている。
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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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