廃棄物学会論文誌
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12 巻, 4 号
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論文
  • ―第3報実験値との比較による熱流動解析法の検討―
    角田 芳忠, 田中 信壽
    2001 年12 巻4 号 p. 143-152
    発行日: 2001/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    ごみ焼却炉内のガス流動現象に関する基礎的研究として, 可視化実験・トレーサ実験などの実験値と汎用熱流動解析による計算値を比較することにより, 数値シミュレーションの妥当性・有効性の検討を行った。
    流速ベクトル・トレーサ濃度分布などの計算値と実験値の一致度を, 同軸上でのプロットと2乗平均誤差を交えて比較した。各種設定条件における乱流の運動エネルギーkとエネルギー消散率εの流入境界条件の影響や反応計算の比較評価を行い, さらに, k-ε2方程式モデルの乱流モデル定数の適合性も検討した。気流模型による詳細な実験データとの照合により, 流入境界条件や乱流モデル定数など数値シミュレーション適用の際の計算手法を確立した。
  • 小谷 克己, 古市 徹, 石井 一英
    2001 年12 巻4 号 p. 153-162
    発行日: 2001/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    最終処分場の建設に対して住民の合意を得るには, 単に理論的な安全性だけでなく, 住民に安心感を与え, 住民が処分場建設計画のどの段階でも参加しやすいものとしなければならない。
    住民 (造られる側) はより高い安心感を得るために, 安全性に深く関係する処分場の機能を高ある要求を話し合いの場で求めることになる。一方, 行政 (造る側) は機能向上を行う分だけ建設費が高くなり, 公共事業費の制約下では実現が困難と考えるため, 話し合いが進まなくなる。
    本論文はこのような背景のもとで, トレードオフ的と見なされる機能向上と建設費低減との関係を検討し, 高機能で建設費が安い処分場の実現可能性を提案しようとするものである。そのために, 32の事例を分析し, 建設費と安全性に最も関係がある処分場立地タイプについて, 3つのタイプごとにそれぞれモデル処分場を提案し, 建設費を算出した。そして, それぞれのモデル処分場に, 現状で住民合意が得られやすい導入可能な高機能化を取り入れても, 建設費はそれ程高くならないことを示した。
  • 吉田 弘之, 寺嶋 正明, 高橋 洋平
    2001 年12 巻4 号 p. 163-167
    発行日: 2001/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    魚肉の亜臨界水加水分解を513K (3.35MPa) , 528K (4.32MPa) , 548K (5.51MPa) において検討した。反応条件は水相, 油相, 固相の全有機炭素 (TOC) 分布に大きな影響を与えた。無機炭素 (IC) 収率は全有機炭素 (TOC) 収率に比較して著しく小さかったが, 炭酸が無機炭素のほとんどを占めた。酸化剤の添加は反応生成物の組成に大きな影響をおよぼした。適当量の酸化剤の添加によって, 生成物の組成を制御できる可能性を示した。
  • 岡田 誠之
    2001 年12 巻4 号 p. 168-176
    発行日: 2001/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    近年, 人間活動を地球環境の観点から総合的に評価しようとする場合の手法としてLCAが登場しているが, ここでは二酸化炭素を取り上げて評価を行うLCCO2に着目した。そこで小規模排水処理施設の建設時および運用時において地球温暖化に寄与するCO2の排出量がどの程度あるか, さらに対象とした規模でのCO2排出量に変化があるかなどについて予測を行った。その結果, 次のことが明らかとなった。
    (1) 建設時のCO2排出量は, 全体的には原水ポンプ槽の設置が必要となる最小規模で最大値となり, 規模が大きくなると減少し, 放流水BOD濃度20mg/Lの浄化槽は放流水BOD濃度60mg/Lの浄化槽に比べて, 最大で30%多くCO2を排出している。
    (2) 放流水BOD濃度20mg/Lの浄化槽に高度処理を付設することによって, 建設時のCO2排出量が3倍増加している。
    (3) 放流水BOD濃度20mg/Lの浄化槽の場合, 運用時のCO2排出量は建設時に比べ最大で26倍多く排出している。
    (4) 放流水BOD濃度20m9/Lの浄化槽で流入水量65m3/dの場合, RC製はFRP製に比べてCO2排出量が1.6倍多くなっている。
    (5) 運用時と建設時を併せてみると, CO2排出量の94~97%を運用時が占あている。
  • 今井 知之, 松井 敏樹, 藤井 泰彦, 中井 資
    2001 年12 巻4 号 p. 177-183
    発行日: 2001/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    粉末状PVCにCaCO3またはCa-Fe複合酸化物を添加して燃焼させ, これらの添加物による塩化水素捕捉率を測定した。CaCO3による捕捉率はその比表面積の増加によって大きくなり, Ca-Fe複合酸化物においても比表面積依存性がみられ, この捕捉率はCaCO3の1.5-2.1倍になった。さらに, 各添加物をPVCに混練してシートを作成して, 燃焼時の塩化水素捕捉率およびシートの熱安定性を測定した。その結果, 本複合酸化物を添加したシートの両性能が極めて優れていることを確かめた。
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