抄録
トレイやカップなどの発泡ポリスチレン系容器を有機溶媒中でクロロメチル化し, さらにピリジン誘導体と反応させることにより, ピリジニウム基を持つ粉末状樹脂を製造した。この粉末状樹脂を用いて, 真正細菌 (グラム陰性菌, グラム陽性菌) , 真核生物 (酵母) および古細菌 (酢酸資化性メタン生成細菌) の吸着試験を行った。対象としたすべての微生物を60分以内に吸着し, 付着した真正細菌の酸素消費速度あるいは酵母および酢酸資化性メタン生成細菌のガス発生速度を測定したところ, 粉末樹脂を加えなかった場合と比較して活性低下は見られなかった。ピリジニウム基を導入した粉末樹脂は, 微生物を生きたまま付着する非常に優れた担体であると評価された。