抄録
大阪市の都市ごみ焼却施設に搬入されたごみを採取し、その可燃物について湿重量比率、湿分率、乾重量比率および元素組成に関する調査を行った。その結果、湿基準について主なものは、厨芥、紙およびプラで、これらのみでごみ全体の70%を占めていた。乾基準では、厨芥、紙およびプラで、同じく可燃物全体の約80%を占めていた。また、湿分率が50%を超えていたものは厨芥のみで、その他のものはほぼ30%程度であった。また、プラスチックの成分として容器包装材とそれ以外のものでは酸素の有無による違いが見られた。これらの測定結果により、古紙および容プラの減少量を任意に設定し将来的な性状の変化について予測した結果、それらが50%ずつ減少した場合には焼却量は約16%、発熱量は約9%減量することが試算された。今後は、他自治体での実績を考慮したモデルにより性状の変化を予測する必要があると考えられる。