抄録
宮崎県は水産業が主要な産業の一つであり、水産物の生産、加工および流通から有機系残渣(水産廃棄物)が発生している。水産廃棄物には、アミノ酸やDHAなどの有用な機能性成分が含まれており、経済的価値の高い物質に変換する利用方法が望まれるが、実態が不明であれば適切な資源化の仕組みを提案できない。そこで、本調査では、宮崎県における水産廃棄物の発生量、種類、処理状況、質について明らかにし、資源化のための問題点を整理した。宮崎県では、家庭からの発生を除くと、約1万5千トン(煮汁約6千トンを除く)の水産廃棄物発生していた(平成15年度)。そのうち約80_%_が小売店等から発生し、ついで加工工場から15_%_発生していた。また、廃棄物の90_%_以上が魚腸骨、貝殻、えび殻などであった。