抄録
家庭系有害廃棄物の適正管理の視点から、家庭製品に含有されるカドミウム(Cd)に着目し、その中でも特にニカド電池に焦点を当て、国内のサブスタンスフローを解析した。その結果、中間製品(最終製品に組み込まれる製品)段階で年間約3,000tのCdが日本から輸出されるが、ニカド電池を内蔵している最終製品の輸入により約900tのCdが国内に流入していると推定された。 Cdのサブスタンスフロー解析の結果から充電池内蔵製品の使用後の行動の把握の重要性が示唆された為、充電池内蔵製品の廃棄行動に関するアンケート調査を行った。その結果、調査対象とした製品が使用済みとなってから時間が経過すると退蔵されているものの割合は減少するが、使用済みとなってから1年経過した時点でも退蔵されているものの割合が5-7割と高いことが分かった。また充電池が取り外されて回収されるものは廃棄されるもののうち1割程度であることが分かった。