抄録
1992年から実施された埼玉県の秩父広域市町村圏組合の9自治体におけるごみ処理の有料化の例を分析した。減量効果が3年程度持続する自治体が多いが,その効果がまったく無い自治体も二つあった。減量効果が発生しない自治体は,有料化実施前に1人当たりのごみ排出量が少ないという特徴があった。また減量効果のあった自治体だけでなく,すべての自治体で4年後から増量効果が発生した。この理由は,料金が比較的安いために住民が慣れてしまったり,費用負担によりごみの排出が経済行為化したためと考えられる。ごみを増やさない為には,料金を常に適正水準になるように見直すとともに,継続的な住民に対する意識向上のための働きかけが必要である。