抄録
我々は準好気性の埋立構造に浸出水の「水量削減効果」、「水質浄化」、及び「窒素除去促進効果」を有する「循環式準好気性」のシステムを開発し、水処理施設が設置できない途上国の処分場における水汚染対策として推奨している。「循環式準好気性」のシステムでは立渠設置により好気性領域が拡大すると共に循環による微生物の集積が図られる。これにより浸出水量削減、水質浄化の効果があることが既存の研究により明らかになっている。本実験ではこれらの効果を比較検討するため「準好気性」、「循環式準好気性」、「曝気循環式準好気性」の3種の異なる構造を持つ小型埋立槽を準備した。この実験より、浸出水の循環による水質浄化効果は準好気性に比べて高いことが明らかになった。また、浸出水を循環前に曝気し、pHの中性化とDO濃度の上昇を図ることによって有機物分解、窒素除去、及び水量削減が促進された。