抄録
廃棄物や汚染土壌、汚染機器等の環境試料中のPCBのスクリーニング試験のため、検出感度・操作性・コストを満足させる簡易な方法が求められている。実験により、バイルシュタイン効果を用いて行う試験方法を考案した。スクリーニングは、通気性を持たせる程度に整形した厚さ:0.01mm、幅:0.5mmの帯状の銅細片2gをブランキングし、試料溶液を保持させ、有機溶媒(イソプロピルアルコール等)を揮散濃縮後、バーナー中に挿入して炎色反応をみるという四段階の手順で行う。PCB濃度が少なくとも10ppmの溶媒に対するバイルシュタイン効果を利用した試験の有用性を確認し、機器洗浄液、汚染土壌への適用を検討した。銅細片の整形方法、及び試料溶液の濃縮方法に留意して作業を行うことで、PCBの有無の判定を簡易な操作によってスクリーニングすることが可能である。