最終処分場早期安定化工法を行った浸出水の毒性学的評価

抄録

近年、最終処分場の早期安定化方法としてケミカルオキシデーション法が研究されてきており、予測以外の二次物質が生成される可能性がある。この様な状況の中、生物に対する総合反応を評価できる毒性評価が求められてきている。今回の研究では、焼却灰を充填した大型実験槽にケミカルオキシデーション法を実施し、発生する浸出水の急性毒性評価（MicrotoxTM、ToxScreen-II、Daphtox）を行った。3種類急性毒性テストでは殆ど同じ傾向を示していた。また、H2O2+強制通気処理を行った槽が最も安定化が促進され、その際の浸出水の毒性についても早期に減少傾向を示していた。今回、使用した毒性テストはケミカルオキシデーション法の浸出水監視にも適用できることが明らかとなった。今後の課題としては、適切な毒性学的浸出水放流基準評価を行う必要がある。