建設資材に用いられる再生材は,実環境での利用を想定した場合,その曝される環境条件は広範であり,さらにその環境条件も一定ではなく時間的に変化する.単一の試験から得られる結果を実際の利用場における溶出挙動予測に用いることに対する懸念は,試験によって模擬される条件が限定されており,多様な環境条件の再現にはなっていないということに由来する.溶出挙動を理論的に記述してモデル化するアプローチは,こうした制限を打開し,より多様な条件,及び長期的視点での予測に耐えうる手段を提供するという考えから,試験系が有する物理的な限界を越えた様々な予測を可能とするツールを構築するものとして期待されている.そこで,本研究においては,再生品の実利用場における溶出挙動を予測する理論モデルを構築すること試みた.