抄録
ベンチマーキング手法を一般廃棄物処理事業のマネジメントツールとして位置付けるにあたり、新公共経営(NPM)の概念に基づき、廃棄物処理サービスの受け手である住民の視点から一般廃棄物処理事業を構成する評価軸を整理した。その結果、有効性(環境保全性、利便性など)、効率性(経済効率)、公平性(排出者負担など)、公正性(情報透明化、弱者配慮など)の4軸が抽出された。本稿では、それらの軸が、住民からみた評価の判断軸として適当かどうかを確認し、施策の違いにより評価軸の影響の大きさが異なるかどうかを検討するため、「ごみ処理に関する住民アンケート調査」を実施した。
その結果、今回のアンケート調査で取り上げた廃棄物事業(施策)については、(1)有効性、効率性、公平性、公正性の4軸が住民からみた評価の判断軸として妥当であること、(2)廃棄物施策ごとに住民が重視する評価軸が異なることが示唆された。