抄録
本研究では、異なる3種の破砕方法を利用し、海藻基質の破砕による微細化効果及び可溶化率の比較ならびにメタン生成能から有効性を評価した。破砕方法は、回転刃による破砕(FP)、破砕槽壁と回転体によって引きちぎる破砕(DP)、上下の砥石の間隔(Cl)を調節することによる破砕(GR)の3つを用いた。GRのCl 250μmおよび0μmの条件におけるCODで評価した可溶化率は、30.2%、31.8%と高かった。最も高い可溶化率を示したGRのCl 0μmの条件と最も低い可溶化率を示したFPの条件での平均粒子径は、それぞれ0.36mmと2.66mmを示した。投入有機物量あたりのメタン生成量は、平均粒子径の減少に伴って増加し、DPとGRのCl 0μmの条件では、約2倍の差がみられた。
本種のような海藻基質を用いた前処理には、微細化に有効なGRを用いることで、メタン生成を促進させることが明らかとなった。