抄録
陶磁器の使用済み廃食器は通常埋立てごみとして処分される。美濃焼の生産地であると同時に名古屋市のベッドタウンでもある岐阜県多治見市で実施した陶磁器食器リサイクルに対する住民意識調査(アンケート方式、n=596)では92%が「陶磁器食器はリサイクルに適す」と回答し、74%が「実施すれば回収協力する」という結果を得た。本報告では、この調査結果を基に、回答者の居住地域別(旧市街地域、里山地域、陶磁器生産地域、住宅団地地域)にその住民意識を分析し、陶磁器食器のリサイクル実現への対応の検討を行った。その結果、居住地毎における特別な差異は認められず、陶磁器リサイクルが実施されれば廃食器回収や分別に協力するという明確な姿勢が示された。現在多治見市が行う家庭ごみの23区分資源回収システムに1区分を追加する仕組みの改正によって、市全域で陶磁器食器リサイクルの実現が可能であることが示された。