埋立地における安定化は、埋め立てられた廃棄物の微生物学的および物理化学的反応により進行する。廃棄物の分解反応を担っている微生物に関する知見は、間接的に埋立物の分解状況を把握し、層内の様子を理解するうえで重要と考えられる。これまで、筆者たちは日本を中心とした温帯地域にある埋立地の微生物群集解析を行ってきた。しかし温帯地域に存在する処分場の浸出水に存在する微生物群集を調べた研究例はあるも、熱帯地域の埋立地についてはあまり知られていない。そこで本研究では、タイ、ベトナムの埋立地の浸出水において、微生物群集を解析することにより、廃棄物層内の状況を判断し、アジアにおける埋立地の微生物学的な知見を収集することを目的とした。