抄録
将来の液状化被害に備えるために,液状化ハザードマップの整備は有効である.このハザードマップに被害に関する定量的な情報が含まれると,防災へのより有効な利活用が期待出来る.そこで本研究では,千葉県浦安市を対象として,東北地方太平洋沖地震前後に実施された航空レーザー測量から得られた千葉県浦安市の道路沈下量と,液状化指数(PL値)との関係に基づいて,液状化による道路の沈下量を定量的に示す新しいタイプの液状化危険度マップの構築を試みた.市内251地点でPL値と道路沈下量を抽出した結果,同じPL値を示す場所であっても,道路規格が異なることで沈下量も異なる傾向が得られた.この関係を用いて作成した新たな液状化危険度マップは,実際の被害の傾向とおおむね整合する結果となった.