最終処分場の管理が短期間で不要になるように,層内の安定化を迅速に進められるシステムを構築する必要がある。本研究では,主要な埋立産業廃棄物を対象に,覆土の透水係数を改善することによって層内への酸素と水分の供給を高めたときの,安定化傾向の改善効果を評価した。覆土の透水係数が高いとき,速やかに層内温度が上昇し,O2が大気中の濃度とほぼ等しくなっており,好気的な生物分解反応が進行していることが伺われ,透水性の覆土によって速やかに空気が進入し,層内のTOCの減少は溶出速度よりも微生物分解が卓越し,逆に嫌気的な条件では溶出速度が卓越するために汚水となって流出する割合が高い,ことが分かった。以上から,覆土の透水性を高めることによって層内の安定化が促されることが示唆された。