廃棄物学会研究発表会講演論文集
第18回廃棄物学会研究発表会
セッションID: D5-8
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D5 埋立地安定化(1)
最終処分場における法面遮水シート保護マットの研究開発
*村上 豊冨田 叔男加藤 隆也
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抄録

最終処分場の遮水シートの保護材として底面部については一般的に、保護マット及び厚さ50cm以上の保護土が使用されている。また法面部については、工事として敷設されている遮光性保護マット上に埋立に先立ち厚さ50cm程度の保護土を貼り付けているものが最も多く、中には保護材の替わりに古畳が使用されている例もある。  しかしながら、上記のような土質材料による遮水シート保護材は、厚みを有しており、本来廃棄物の埋立が可能である空間を同土質材料により占有させることで、最終処分場の廃棄物自体の埋め立て容量を削減する要因となっていた。また、土質材料を遮水シート上に巻き出す際、重機により保護の目的物である遮水シートを損傷する恐れがあることや、従来の土質材料による法面部遮水工の保護は締め固められると、十分なガス移動ができないばかりか、廃棄物中のガスを排気し、酸素を供給するために、処分場内の法面上設置されているガス抜き管の周囲が同土質材料により占められ、直接廃棄物に触れないことから、埋立てた廃棄物の安定化の進行を阻害するという欠点があった。  また土質材料の遮水シートに対する保護材として機能するはずの工事として敷設されている遮光性保護マットは、場所により中長期間露出された状況にあり、損傷を受けている場合が多く、実際に埋立が進行した時点では、張替えが必要となっている場合も少なくない。 また古畳を使用した例では、形状が一定であることから、保護されない隙間が生じることや、素材が有機物であることから、時間経過に伴い分解し、処分場から発生する浸出水の水質を悪化させる可能性があるという欠点があった。  本研究はこれらの実情に鑑みて、施工性に優れ、遮水シートに作用する外力を緩和できる法面保護材代替マットを、維持管理において使用し易い形状として開発することで、最終処分場の遮水工の安全性向上、延命化及び早期安定性を目的としたものである。

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© 2007 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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