日本では、大量の焼却残渣が埋立処分されることになるが、埋立て後の焼却残渣に作用する各種の反応や、埋立廃棄物層の経時的な環境の変化に伴う焼却残渣の性状変化については、未だ、十分に明らかにされていない。 本研究では、焼却残渣が主体的に処分された埋立地において3回にわたりボーリング調査を実施し、埋立期間および埋立深度の異なる埋立焼却残渣をサンプリングし、物理・化学的性状の変化を把握し、焼却残渣の風化現象を明らかにすることを目的した。風化作用は物理的風化、化学的風化、生物的風化に大別され、本報は都市ごみ焼却残渣主体の埋立地における物理的風化および化学的風化作用を主に調査した。埋立焼却残渣の風化の程度を把握するため粒度分布、比表面積、鉱物組成、化学組成、元素組成、塩基置換容量、各成分の溶出量等を求め、若干の知見が得られたので報告する。