都市ごみ焼却主灰が埋立てられる最終処分場において、主灰の固化が降水の均一な浸透を妨げることにより処分場全体の安定化が遅延するとの指摘がある。異なる焼却施設から得た9種類の都市ごみ焼却主灰の固化の発達を実験室内で経時的に観察するとともに、鉱物組成の変化と関連づけた。 主灰の乾湿の繰返しによる固化の発達は、エトリンガイト、フリーデル氏塩の分解とそれらの炭酸化により進行した。炭酸化は主灰の上部から下部に向かって進行するが、水の浸透のし易さよりも主灰の保水性と密接に関係した。 処分場現地の主灰の固化は、白色の上部層は炭酸カルシウムの再結晶化で、灰色の下部層はエトリンガイトまたはC-S-Hゲル相の発達により起こった。