最終処分場の安定化促進の為、覆土に浸透性反応層(Permeable Reactive Barrier)の機能を付加する技術が提案されている。本研究では、鉄粉・黒ボク土を用いて吸着試験を行い、PRBによる重金属捕捉に及ぼす温度等の影響について検討を行った。また、電子顕微鏡による試料表面観察により吸着機構の検討も行った。Freundlich式の吸着容量を表すKFで評価したところ、鉄粉による重金属吸着に及ぼす温度の影響は、重金属ごとに異なる挙動を示した。Cu2+ では吸着容量が減少し、Zn2+ ではやや増加した。特に、Pb2+ の吸着容量は25℃から80℃で倍増した。一方、黒ボク土は温度にほとんど影響されずに一定の吸着容量を保った。さらに、高温環境下での鉄粉によるPb2+ 吸着量の増加は、鉄酸化物の形成によると推測された。以上より、PRBは高温環境を有する処分場に適応可能であるといえる。