本研究は、大規模不法投棄事案のアーカイブス化の一環として、産廃特措法の適用になった事例(8件)と申込み準備中の事例(1件)を対象に、事案の概要、不法投棄廃棄物の種類及びそれに起因する汚染物質、事前調査、及び修復方法の特徴を整理した。 汚染物質として、VOC、重金属、高濃度の硫化水素、ビスフェノールAなど様々であり、事前調査として、高密度電気探査、井戸の水位変化調査、現場透水実験、地質・地形調査が多く行われた。全量撤去処理が決まった3つの事案は掘削作業中に汚染拡散防止のために、キャッピングと遮水壁を一部に設置し、水処理を行った。これに対して、現位置処理に決まった事案は、雨の浸透防止のためにキャッピングを設置し、また、不法投棄現場の全周を遮水壁で囲んでから、揚水井戸から地下水を汲み上げて水処理をした。高濃度の硫化水素が問題となった事案は、透過性反応浄化壁や多機能性覆土が用いられた。