廃棄物学会研究発表会講演論文集
第18回廃棄物学会研究発表会
セッションID: E8-4
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D8 不法投棄/土壌・地下水汚染
原位置バイオレメディエーション法によるテトラクロロエチレン汚染現場の修復可能性の検討
*長山 真子古市 徹石井 一英谷川 昇
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抄録

大きな社会問題となっている不法投棄現場で,テトラクロロエチレン(以下PCE)などVOC類に汚染されているケースがある。本研究では,現地で汚染を浄化する『リスク低減化プロセス』のための手法として、原位置バイオレメディエーション法に注目し、A県不法投棄現場の廃棄物をサンプルとして,本手法の現場の修復可能性を検討することとした。 はじめに,廃棄物層内での浄化を模擬したカラム試験によりPCE及びその分解生成物の反応経路を確かめた。次に、移流分散・吸着・脱塩素化反応によるPCE及びその分解生成物の濃度変化をモデル化し、実験結果から,モデル内のパラメータを決定した。まず,非吸着・非微生物分解性のトレーサを用いたトレーサ試験により,移流分散に関するパラメータを算出した。そして,カラム分解試験での,カラム内のPCE及び分解生成物濃度の定常分布により,分解速度定数を求めた。これより,カラム連続分解試験でのPCE及びその分解代謝物の挙動をモデルにより表現することができた。 最後に、得られたパラメータを用いて現場スケール(均一性を仮定)を想定した浄化効果予測を行った。帯水層に注入井と揚水井を設置し、地下水流を制御する工法を想定した。分解速度定数とDarcy流速を変化させた6つのケースでシミュレーションを行った結果,汚染濃度変化を推定できたとともに、浄化にかかる日数に対し分解速度定数とDarcy流速が及ぼす影響を確かめることができた.

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© 2007 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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