本研究では、不法投棄廃棄物を対象とし、テトラクロロエチレン(PCE)の微生物分解経路を定量的に確認し、その分解速度に及ぼす影響因子について考察を行った。まず、対象廃棄物を用いてPCE及び分解生成物の気-液及び液-固分配係数を測定し、PCE分解実験を行った。次に、廃棄物種類や栄養添加、温度といった影響因子が微生物分解速度に及ぼす影響を検討した。その結果、分解実験において注入PCEの約9割が、VC、エチレンにまで脱塩素されていることを確認した。また、汚泥主体の廃棄物はバーク堆肥主体の廃棄物よりも分解が遅かったが、栄養添加によって脱塩素反応促進効果を確認した。さらに、温度を上げることによる脱塩素反応促進効果も示された。