世界各地において持続可能な発展を目指し、環境に配慮した工業団地、いわゆるエコインダストリアルパーク(Eco-Industrial Park、EIP)が増えている。EIPの主流は、動脈産業(製造業)を中心として、企業誘致推進の観点からも、工業団地全体の環境配慮を目指したものから、日本のエコタウンに代表されるように、静脈産業(リサイクル産業)が中心に集積したものなど、建設中も含め様々なタイプが存在する。 筆者らは前報まで1-7)、日本に多数存在するエコタウンの類型化を目指し、エコタウンの存在する地域において公表されている地域特性指標(データ)に着目した検討を行ってきた。 本報告では、世界の代表的なEIPを取り上げ、それぞれの動脈企業と静脈企業の数の比率に着目した類型化を試みた。そして、それぞれのEIPの対象地域面積や、EIPの存在する地域自治体の人口などを比較することにより、EIPの特徴をより明らかにしうる類型化に向けた基礎的な検討について述べる。