現状の活性汚泥法では,BODが概ね1000mg/L以上の有機性排水を処理する際は,地下水や使用後の冷却水などで希釈する必要があり,貴重な水資源を浪費している.また排水の濃度が高くなるにつれ,活性汚泥反応槽を大きくする必要がある.そのため,より効率的な処理方法を開発すれば,排水処理設備の縮小化が計られる.そこで本研究では,活性汚泥法で処理する場合に希釈が必要とされるような高濃度有機性排水の新たな処理装置の開発を目指し,土壌から分離した菌体を包括固定化することによる,無希釈高濃度排水処理装置の開発を試みた.本稿では,土壌菌の分離・包括固定化方法に加え,その包括固定化担体を排水処理に適応した.その結果,初期TOC濃度が非常に高濃度であるため,分解に伴いDOは著しく低下したが,TOC3000mg/Lを最終的に500mg/Lまで処理することができることがわかった.