循環型社会の構築に向けて、廃棄物を原料として活用した「ゼロエミッション」に向けた取り組みを進めることが必要となっている中、鉄鋼業や非鉄製錬業、セメント産業等の素材系動脈産業では、すでに廃棄物が原燃料として利用されており、静脈産業と動脈産業が連結したシステムが資源循環のサイクルの中で一定の役割を担っている。本研究では、我が国の資源循環に大きく貢献している鉄鋼業、非鉄製錬業、セメント産業に着目して、素材産業を活用した動脈産業と静脈産業の連携による近未来の資源循環ビジョンの描出を最終的な目的としている。 本研究では、素材産業の既存の生産プロセスにおける天然資源の消費構造と廃棄物・副産物の活用による天然資源消費抑制構造を把握するとともに、我が国における資源循環への貢献度の観測を行った結果を報告する。