2006 年 42 巻 1 号 p. 9-16
低級脂肪酸を高濃度に含む嫌気性水素発酵廃液の処理と水素エネルギー回収を目的に、酢酸、乳酸、酪酸を炭素源として生育可能な耐塩性光合成水素生成細菌を干潟底泥試料から集積した。リンゴ酸を炭素源として光照射条件下での回分培養を繰り返すことにより、リンゴ酸資化性光合成水素生成細菌が集積された。本集積細菌は、酢酸、乳酸、酪酸を炭素源として、30℃、6,000 lx、2%のNaCl濃度の条件下で、各基質1mol当たり、1mol,1.2 mol,3.4 mol の水素を生成した。また上記有機酸は、水素生成反応期間内に消費され、嫌気性水素発酵廃液の処理に適用可能なことが示された。