日本水処理生物学会誌
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ラボスケール膜分離バイオリアクターによるベトナムホーチミン市のゴカット埋立処分場浸出水の処理成績
Sang Nguyen Nhu惣田 訓清 和成石垣 智基Triet Lam Minh池 道彦藤田 正憲
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2007 年 43 巻 1 号 p. 43-49

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抄録
ベトナムホーチミン市のゴカット埋立処分場から発生する浸出水の水質を分析し、その処理をラボスケールの膜分離バイオリアクター(MBR)を用いて行った。浸出水中のCOD濃度は、乾季(2003年11月、2004年4月)と雨季(2004年4月、8月)において、それぞれ39.6-59.8 g l-1および1.1-4.0 g l-1であった。これは、モンスーン気候の夏季には、集中的な降雨によって浸出水の発生量が増加し、その水質が分解と希釈を受け、大きく変化することを示している。BOD/COD比は、年間を通じて0.68以上であり、この浸出水の処理には生物学的プロセスが有効であることが示唆された。MBRは、90日間に渡って容積負荷率1.9-4.2 mg-COD l-1 d-1で運転された。MBRに設置された膜(マイクロフィルター)は、活性汚泥を十分に高濃度に維持し、COD-VSS負荷率は、0.097-0.616 g-COD g-VSS-1 d-1に抑えられ、84-97%の高いCOD 除去率をMBRは示した。実験結果より、CODの排水基準100 mg l-1は、おそらく雨季には達成できると思われるものの、特に乾季には後処理なしには達成が困難であるものと考えられた。
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© 2007 日本水処理生物学会
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