抄録
現在の有機性排水処理として、一般的に活性汚泥法という生物処理法が利用されている。しかし、排水処理の際に余剰活性汚泥が多量に発生してしまうのがこの処理法の欠点であり、経済・環境の両面から余剰汚泥の減容化が急務となっている。そこで、我々は、余剰活性汚泥を減容する方法として、磁気-フェライト処理を行っている。試験管に活性汚泥とフェライト粒子を入れ、外部から永久磁石により作られる磁界を断続的に照射することでフェライト粒子が、磁界内では凝縮運動をし、磁界外では拡散運動をする。これにより凝縮時に局部的な水圧の変化、フェライトと活性汚泥内の微生物との衝突や微生物がフェライトとフェライトによりすり潰されることで微生物が圧迫され、微生物の細胞膜の一部、また、細胞内の増殖因子が破壊されることにより殺菌が行われる。このように、微生物に磁気-フェライト処理を行うことで殺菌・可溶化し、その殺菌された汚泥を未処理の活性汚泥に生物分解させることで汚泥の減容化が可能であると考えている。本研究では磁気-フェライト処理の効果に関わる諸因子を調べた後、2つのミニプラントを用いて汚泥の減容化を評価した。沈殿槽で沈降した活性汚泥を定期的にばっ気槽へ返送する際、系1はなにもせず、系2は1日に12時間、磁気-フェライト処理をかけて返送した。磁気-フェライト処理の有無におけるそれぞれのばっ気槽内のMLSSの変化を定期的に測定し、MLSS値がCASの標準値を超えない様に、必要に応じて、余剰汚泥を引き抜いた。引き抜いた余剰汚泥を乾燥させ、その量を比較することで、磁気-フェライト処理の効果の有無を調べた。その結果、未処理に比べて磁気-フェライト処理で余剰汚泥の発生をおよそ半分に抑制できる事が分かった。また、処理水のCODを測定した結果、未処理と磁気処理の両方とも基準値の20mg/lより低かったため排水処理にも問題はないと思われる。よって、磁気-フェライト処理による余剰汚泥の減容化が可能であることが明らかになった。