日本水処理生物学会誌
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焼成したモンモリロナイトとピラード粘土(PILCs)に固定化したカタラーゼの吸着作用と酵素活性
鈴木 光彰松本 豊関川 貴寛岩堀 恵祐
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2008 年 44 巻 3 号 p. 161-167

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抄録
繊維漂白プロセスでのカタラーゼの応用は、高温、アルカリ条件下で使用することが要求されている。そこで、カタラーゼの温度安定性とpH安定性を改善するために、焼成したモンモリロナイトとピラード粘土(PILCs)にカタラーゼを固定化することを検討した。シリカ-ピラード粘土(SiO2-PILCs)とアルミナ-ピラード粘土(Al2O3-PILCs)はモンモリロナイトから調整し、400℃または600℃で焼成した。それら粘土とカタラーゼとの疎水性相互作用がより強くなると、それら粘土に、より強くカタラーゼは吸着した。また、それら粘土に固定化したカタラーゼの温度安定性は55℃以下において、フリーのカタラーゼより高くなった。加えて、2つのPILCsに固定化したカタラーゼのpH安定性は高く、かつフリーのカタラーゼと比べて、よりアルカリにシフトしていた。特に、Al2O3-PILCsに固定化したカタラーゼの相対活性(pH7を100%とする)はpH8-12において、フリーのカタラーゼより高かった。さらにその上、600℃で焼成したAl2O3-PILCsに固定化したカタラーゼのpH10-11の相対活性はpH7の40-60%も活性があった。しかしながら、焼成したモンモリロナイトに固定化したカタラーゼの相対活性はpH7以上ではフリーのカタラーゼとほとんど同じであった。
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© 2008 日本水処理生物学会
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