抄録
カキ殻粉末を4cmのボール状に焼き固めた、アクアボールという担体で、活性汚泥の減量を試みた。人工下水を用いた完全混合型の、4lスケールの連続活性汚泥処理システムで実験を行なった。ばっ気槽に8個のアクアボールを投入すると定常状態において、アクアボールを投入しない対照実験と比較して25%のMLSSが減少した。このとき、活性汚泥の呼吸速度が上昇し、好気的に増殖する細菌の比率が増加した。同様の現象はカキ殻水抽出液を添加しても観察された。従って、カキ殻の何らかの成分が、好気的に増殖する細菌の増殖を促進し、その結果二酸化炭素の排出が増加し、活性汚泥量の減少が起こることが示唆された。