日本水処理生物学会誌
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44 巻, 3 号
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報文
  • TRAN THI HIEN HOA, LUONG NGOC KHANH, 府中 裕一, 葛 甬生, 古川 憲治
    原稿種別: 報文
    2008 年44 巻3 号 p. 121-128
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/03/10
    ジャーナル フリー
    ポリエチレン製のスポンジシートを担体とする固定床型リアクタを使ってanammoxリアクタの窒素除去能力を検討した。固定床型anammoxリアクタを上向流にて240日間連続運転した。流入水のNH4-N、NO2-N濃度と流入水量を段階的に高めることで窒素容積負荷量を高め、窒素除去効率を38%から最終的に75%にまで高めることができた。運転開始240日後には2.8kg-N/m3/dという高いT-N除去速度を達成することができた。連続試験開始後3ヶ月で、ポリエチレン製のスポンジシートの表面はanammox汚泥で完全にカバーされ、スポンジシートの色が白から赤色に変色した。運転開始5ヵ月後には、anammox汚泥がスポンジシート上で旺盛に増殖し、スポンジシートの色が深紅に変わった。これら長期にわたる連続処理試験の結果、ポリエチレン製のスポンジシートがanammox汚泥の付着担体として優れていることを確認することができた。
  • 山崎 宏史, 鈴木 理恵, 蛯江 美孝, 稲森 悠平, 西村 修
    原稿種別: 報文
    2008 年44 巻3 号 p. 129-138
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/03/10
    ジャーナル フリー
    浄化槽設置地域の戸建住宅を対象に、生ごみを含む全ての生活系ごみをごみ焼却場で処理し、生活排水を一般に普及している嫌気濾床接触ばっ気方式を採用した構造例示型浄化槽で処理する標準処理ケースと生活排水とともに生ごみをディスポーザ対応浄化槽で処理し、生ごみを除く生活系ごみをごみ焼却場で処理するディスポーザ対応浄化槽導入ケースを例に、地域社会における廃棄物処理、排水処理の変化に対する環境への影響を明らかにするために、CO2排出量変化に着目し、LCCO2を比較定量評価した。その結果、両浄化槽とも排水処理工程においては、浄化槽の運用段階に伴う電力使用によるCO2排出量が大きいことが明らかとなった。また、標準処理ケースとディスポーザ対応浄化槽導入ケースでは、生ごみを発生原位置で減量化させるディスポーザ対応浄化槽の導入により、排水処理工程から発生するCO2排出量の増加分よりも、廃棄物処理工程から発生するCO2排出量の削減分が大きく、CO2排出量が7.8 %削減(-39.9kg-CO2/(戸・年))される結果となった。また、それぞれのケースにおいて、生活系ごみ輸送距離および排水処理に伴い発生する汚泥輸送距離とCO2排出量は一次の相関にあり、ディスポーザ対応浄化槽の導入により、生活系ごみ輸送距離が長い程、CO2排出量の削減割合が増加される結果となった。
  • 西尾 孝之, 新矢 将尚, 藤原 康博, 芳倉 太郎, 福山 丈二
    原稿種別: 報文
    2008 年44 巻3 号 p. 139-148
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/03/10
    ジャーナル フリー
    都市ごみ焼却灰を主体に埋立ている海面埋立廃棄物処分場酸化池内水において,比較的高濃度のアンモニウムイオンが存在することから,硝化活性阻害が生じていると考えられた。酸化池内水のリン酸は,焼却灰に含まれるカルシウムなどの塩類と不溶性の沈殿を生じるために濃度が非常に低くなっており,リン酸欠乏が硝化活性に阻害的影響を与えていると考えられた。硝化活性のリン酸欠乏状態を確かめるために,微生物膜の付着支持体としてひも状接触材を用いた実証実験施設の硝化反応槽で実験を行った。10℃以下の低水温でもリン酸を添加することで硝化活性を促進することが出来たが,リン酸添加を停止すると25℃以上の水温でも硝化活性が低下した。今回の実験条件では,炭酸やアルカリ度の指標となる無機炭素の枯渇よりも,リン酸欠乏が硝化活性に最も影響すると考えられた。リン酸制限下では硝化反応槽流出液に亜硝酸の蓄積が認められたことから,亜硝酸酸化細菌はアンモニア酸化細菌よりもリン酸欠乏に対して感受性が高いと考えられた。このことにより,リン酸供給を制御することにより部分硝化反応を行わせる可能性が示唆された。
  • 山崎 宏史, 鈴木 理恵, 蛯江 美孝, 稲森 悠平, 西村 修
    原稿種別: 報文
    2008 年44 巻3 号 p. 149-159
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/03/10
    ジャーナル フリー
    ディスポーザ排水の生物学的排水処理プロセスは、ディスポーザ排水に含有する生ごみ固形物の可溶化反応と可溶化した生ごみの資化反応という2段階の生物学的な反応で進行すると考えられる。本研究では、ディスポーザ排水の生物学的な可溶化反応と資化反応の特性を水温および通気を対象とし、比較検討を行うことにより調査した。その結果、ディスポーザ排水の可溶化反応においては、水温および通気のどちらの項目に対しても影響を受け、水温が高く、通気がある場合において、ディスポーザ排水の可溶化速度が大きい結果となった。また、ディスポーザ排水の資化反応においては、通気の相違による影響が大きいことが明らかとなった。通気ありの条件では、SSの減少とともにBOD,D-BODの減少が認められ、生物学的な資化反応が速やかに進行するが、通気なしの条件では、SSの減少は進行するものの、BODの減少はほとんど認められず、また、D-BODに関しては増加する傾向にあった。これらの通気の相違によるBOD、D-BODおよびSSの変化を炭水化物、蛋白質、脂質と合わせて考察した結果、ディスポーザ排水に含有するこれらの有機炭素成分は通気なしの条件では、有機酸やアルコールなどの中間生成物にまでは進行するものの、中間生成物のさらなる資化反応が速やかに進行しないことが原因であると考えられた。また、ディスポーザ排水を処理できるベンチスケールの実験装置を用い、水温を13℃から20℃へ上昇させる実験を実施した結果、貯留されていた生ごみの可溶化反応が急激に進行し、一時的に処理水質が悪化する傾向が認められた。この結果から、ディスポーザ排水対応型の排水処理システムにおいては、低温時においても、生ごみ貯留部である嫌気可溶化槽に対して好気槽から好気水の常時循環などにより、常に生ごみ固形物の可溶化を進行させ、嫌気可溶化槽に貯留される生ごみ固形物量を少なくすることにより、水温上昇時における処理水質の悪化は低減できるものと考えられた。
  • 鈴木 光彰, 松本 豊, 関川 貴寛, 岩堀 恵祐
    原稿種別: 報文
    2008 年44 巻3 号 p. 161-167
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/03/10
    ジャーナル フリー
    繊維漂白プロセスでのカタラーゼの応用は、高温、アルカリ条件下で使用することが要求されている。そこで、カタラーゼの温度安定性とpH安定性を改善するために、焼成したモンモリロナイトとピラード粘土(PILCs)にカタラーゼを固定化することを検討した。シリカ-ピラード粘土(SiO2-PILCs)とアルミナ-ピラード粘土(Al2O3-PILCs)はモンモリロナイトから調整し、400℃または600℃で焼成した。それら粘土とカタラーゼとの疎水性相互作用がより強くなると、それら粘土に、より強くカタラーゼは吸着した。また、それら粘土に固定化したカタラーゼの温度安定性は55℃以下において、フリーのカタラーゼより高くなった。加えて、2つのPILCsに固定化したカタラーゼのpH安定性は高く、かつフリーのカタラーゼと比べて、よりアルカリにシフトしていた。特に、Al2O3-PILCsに固定化したカタラーゼの相対活性(pH7を100%とする)はpH8-12において、フリーのカタラーゼより高かった。さらにその上、600℃で焼成したAl2O3-PILCsに固定化したカタラーゼのpH10-11の相対活性はpH7の40-60%も活性があった。しかしながら、焼成したモンモリロナイトに固定化したカタラーゼの相対活性はpH7以上ではフリーのカタラーゼとほとんど同じであった。
ノート
  • 楠 敏明, 遠藤 睦己, 溝口 隆, 竹野 健次, 新川 英典, 佐々木 健
    原稿種別: ノート
    2008 年44 巻3 号 p. 169-174
    発行日: 2008年
    公開日: 2018/03/10
    ジャーナル フリー
    カキ殻粉末を4cmのボール状に焼き固めた、アクアボールという担体で、活性汚泥の減量を試みた。人工下水を用いた完全混合型の、4lスケールの連続活性汚泥処理システムで実験を行なった。ばっ気槽に8個のアクアボールを投入すると定常状態において、アクアボールを投入しない対照実験と比較して25%のMLSSが減少した。このとき、活性汚泥の呼吸速度が上昇し、好気的に増殖する細菌の比率が増加した。同様の現象はカキ殻水抽出液を添加しても観察された。従って、カキ殻の何らかの成分が、好気的に増殖する細菌の増殖を促進し、その結果二酸化炭素の排出が増加し、活性汚泥量の減少が起こることが示唆された。
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