抄録
本研究はオカラ(日本の伝統食品加工過程で生産された副産物)を原料とし、36℃の嫌気発酵槽を用いたバッチ式中温メタン発酵を行い、異なる量のオカラを定量の接種汚泥と混合し、最終含水率は90%になるように調整を行った。接種サイズ(原料オカラ対接種汚泥の比率S/Is)が0.3から2.0、計6系列のサンプルを用いてメタン発酵を実施した。S/I の値が0.6の時、メタン収率が最大で、S/Iの値が1.0に超えると、高濃度に蓄積された揮発性脂肪酸(VFA)の阻害で、メタン収率の急激な減少が見られた。またPCR-DGGE等の分子生物的手法を用いて嫌気発酵槽内の微生物群集の変動について解析した。S/Iの値が1.6と2.0の時、酢酸やプロピオン酸生成に関連する菌が優占になったことから、酢酸やプロピオン酸の蓄積とメタン生産量の低下との関係を分子生物的な手法で明らかにした。19日間の中温メタン発酵では、S/I の値が0.6の時に495 ml CH4 g VS-1の最大メタン収率が得られた。