日本水処理生物学会誌
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アルカリ処理と高速撹拌ミキサーによる活性汚泥可溶化へ及ぼす金属イオンの影響と対策
藤本 尚則奥濃 清貴溝口 隆渡辺 圭太郎佐々木 健
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2011 年 47 巻 2 号 p. 59-66

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抄録

高速撹拌ミキサーによる物理破砕処理とアルカリ薬剤処理を組み合わせた汚泥の可溶化技術を、製油所の活性汚泥処理に適用した際に、排水の組成の変動により生じた金属イオンと可溶化率の低下について検討した。Ca、Mgイオンの増加で可溶化率が、40%から25%程度に低下した。この低下原因は、原水中の金属イオン濃度(Na、Ca、Mg、Kなど)の変動に起因して、主に汚泥中のCaイオン含有量が増加したことと推測した。そして、汚泥中のCaイオン含有量を低下させる手法として活性汚泥処理でのポリ塩化アルミニウム(PAC )添加を見出し、PACを150 mg/l濃度で連続的に添加することで、可溶化率が20%から45%に大幅に向上することを確認した。PAC添加の効果は、添加を停止した後でも25日間以上保持された。

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© 2011 日本水処理生物学会
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