日本水処理生物学会誌
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間伐材混合土壌を用いた農業排水からの窒素除去における硫酸塩還元微生物の役割
中木原 江利池本 良子高野 典礼山下 恭広熊代 和也高井 淑恵大月 紳司
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2011 年 47 巻 2 号 p. 75-86

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抄録

農地排水からの窒素除去法として、間伐材を混合した土壌を用いる方法について土壌カラムにて実験的検討を行った。間伐材の混合により、間伐材の分解に伴う窒素除去が進行した。活性汚泥を植種して間伐材を事前培養することにより、脱窒率が向上した。間伐材内部に高い脱窒活性と硫酸塩還元活性が認められた。カラム内の微生物DNAを抽出し16S rRNA遺伝子を標的としたnested PCR-DGGE法を適用した結果、各部位に多様な微生物が検出され、間伐材の事前培養により土壌内の微生物群集が変化することが示された。次に、DSR遺伝子を標的としたnested PCR-DGGE法を適用した結果、間伐材および腐朽木中に多様な硫酸塩還元微生物を検出することができた。微生物叢は、事前培養条件で異なっており、脱窒素条件では不完全酸化型、硫酸塩還元条件では完全酸化型の硫酸塩還元微生物が多く検出された。

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© 2011 日本水処理生物学会
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