抄録
本研究では、活性汚泥法における省電力化手法として、長時間にわたる電力停止が、処理水質および活性汚泥中の生物相に及ぼす影響を明らかにした。さらに、長時間の電力停止においても、処理水質を良好に維持可能な運転条件について検討を行った。その結果、標準条件においては、6hr電力停止の場合、処理水質の悪化は認められなかった。一方、12 hr電力停止の場合、BOD除去性能の顕著な悪化と硝化反応の抑制が認められた。これは、ブロワ停止に伴い好気槽DOが1mg・l-1を下回ったためと考えられた。そこで、汚泥返送比を4に増加させ、かつ、電力停止条件を12 hr・day-1で維持するために、6hrの間欠運転に設定したところ、BOD処理性能は改善し、対照系と同程度となった。活性汚泥中の生物相を解析したところ、電力停止を設けた場合でも、Vorticella.sp等の活性汚泥性生物が優占化するとともに、低DOに抵抗性を持つAspidisca.sp等が多く見られ、長時間の電力停止によっても活性汚泥中の微生物相は、良好に保持されることが明らかとなった。これらの結果から、省電力下においても、汚泥返送比と間欠運転の時間設定という運転操作条件を適正に設定することにより、処理水質が適正に維持され、活性汚泥法における使用エネルギーが半減可能であることが示唆された。